コーヒーセレクトショップ“俺のサードウェーブ” は、現在準備中です。

2015/03/17 13:23

ブルーボトルコーヒーの来日以来、よく聞く言葉「サードウェーブコーヒー」
何となく、カッコいい言葉だけどそれが何なのかを説明しろと言われると、

「あの…あれだよ。三回目のブーム…だよね。…コーヒーのね…。うん…。」

って言う人は多いのではないでしょうか?
今回はそのサードウェーブコーヒーとは何なのかについて、歴史的な背景も踏まえておさらいしてみましょう。

知っておくと自慢できるサードウェーブコーヒーについて

サードウェーブというくらいですから、もちろん三回目の波なわけです。
ということは、一回目も二回目もあったということ。
では、一回目からおさらいしていきましょう。


<ファーストウェーブ>コーヒーの大衆化

昔はコーヒーは高級嗜好品で、サロンのようなところに言って上流階級の人たちが、コーヒー片手に知的談義をしながら楽しむという中世的なスタイルで楽しまれていました。

しかし、産業革命以降、あらゆるものに大量生産・大量消費の時代が到来します。
そして、コーヒーにおいても、19世紀後半頃から生産技術、流通技術が大きく発展し、大量生産・大量流通が可能になったのです。

それにより、コーヒーは安く大量に出回り、一般大衆でも入手し楽しめるようになりました。
家庭向けのレギュラーコーヒーはもちろん、この頃にはインスタントコーヒーの技術も発明され、一般家庭でコーヒーを飲むスタイルが一大ムーブメントとなりました。

コーヒーが一気に大衆化し、ポピュラーになった。
これが第一波です。


<セカンドウェーブ>:深煎り化&ファッション化

ファーストウェーブで一気に市民権を得たコーヒーでしたが、そこには悪しき側面が有りました。

品質の低下です。

ファーストウェーブ期に良く飲まれていたのが、浅煎りのアメリカンコーヒーですが、なぜこれが流行ったのか?それには諸説ありますが、私は2つの大きな理由があると考えています。

①コーヒーが「グラム」で取引されていたこと
一般的にコーヒーは焙煎をすればするほど、水分が抜けて軽くなります。
もちろん、その分苦味やコクも増して味わい深くなるわけですが、当時の大量流通の時代においては、逆に値段を下げることに繋がってしまっていたのです。当時のコーヒー豆の取引では、品質や焙煎度合いはほとんど考慮されず、「重量」が重視されていました。つまり、グラム数が多ければ高く売れるわけです。一説によると重量単位の価格がほぼ全て一緒だったともいわれています。
すると、焙煎して軽くしすぎてしまうとグラムで値段を算出した際に安くなってしまう。そうなれば、当然、業者は浅煎りにしますよね。

②店が豆をケチった
大量消費の時代、コーヒーを飲むことそのものが重要なのであって、その品質や味にこだわりを持っている一般大衆は多くありませんでした。すると、どうせ細かな味など分からないのだからと、お店がコーヒーを提供する際、少しでも利益を出すためにコーヒーの使用量をケチることに繋がるわけです。この動きは特に合理的なアメリカで顕著だったと思われます。
すると、「薄めのコーヒー=アメリカンコーヒー」が出来上がるのです。

つまり、浅煎りコーヒーは低品質の象徴となってしまったのです。

その状況に違和感を覚えた人たちを中心に起きた次のムーブメントが、スターバックスやタリーズなどのシアトル系コーヒーを中心とした「深煎りムーブメント」です。

高品質な豆を仕入れ、深めに焙煎して苦味の利いた味わいを引き出し、当時の浅煎り文化の中では目新しかった、エスプレッソやカフェラテとして提供しました。様々なミルクやフレーバーと合わせて楽しむ「ラテ」スタイルが流行したのも、浅煎りに慣れてしまったアメリカ人が苦いエスプレッソを自分たちが飲みやすいようにアレンジしようとしたと考えれば、自然な成り行きですね。
そして、確かに値段は少しお高いですが、その高めのコーヒーを片手に颯爽と街を闊歩するスタイルがスタイリッシュであるとして、世界中で大ブレイクしました。

高品質&深煎り化とコーヒーのファッション化
これが、セカンドウェーブです。


<サードウェーブコーヒーの正体とは?>

そして、昨今巻き起こるサードウェーブ。
これを一言で表現するならば、「個性への着目」です。

ファーストウェーブもセカンドウェーブも、大量消費やチェーン展開をベースとした画一商品・画一品質の世界観でした。

そこにあってサードウェーブのキーワードは「小規模、ローカル、独自仕入れ、独自焙煎」です。
つまり、世界中どこでも同じ味ではなく、その場所、その店、その人でしか出せない味わいに注目しよう!
どこからどのように高品質な豆を入手するのか、そしてその豆をどのように調理(焙煎・抽出)するのか、その個性を味わおう!

まるで、一つの料理を味わうようにコーヒーと向き合おう!
というのが今巻き起こっているサードウェーブです。


<サードウェーブを最高に楽しむためには?>

サードウェーブは個性への着目です。
ローカルだけどもこだわりを持ってコーヒーを提供しているロースター。その個性を存分に楽しみましょう。
そして、様々なロースターのコーヒーを飲んで、比べて、探して、楽しむのが正しい向き合い方ではないでしょうか。

このショップでは、そんな探す楽しみ、比べる楽しみ、そして何より個性を味わう楽しみを提供できるショップにしたいなと思っています!
日本のサードウェーブの代表格、丸山珈琲と猿田彦珈琲が一緒に味わえる比較パックはこちら。